モキュメンタリー

黒澤司(YAOYOROS、世界ヒッチハイク部、武蔵野航空警備隊)

2018年6月4日(月)晴れ

夕方、とあるワークショップへ。

途中、映画を撮っているYくんに遭遇して、少し話した。Yくんは疲れてると言っていたが、相変わらずいきのいい眼差しをしていて安心した。

ワークショップは、そこまで持っていかれる内容ではなく、途中から、今日の夕飯は何を食べようかな、などと考えていた。

30分の道のりを歩いて帰る。長く住んだこの街からの引っ越しを考えているので、見慣れた街並みをじっくり見ながら歩いた。懐旧の情に浸っている自分もいて、ああ、おれの魂は肉体は、この街に根付いてるんだな、と思って、そろそろ引っ剥がして、新しい旅へと出る準備を、と。

アパートに帰り、インターネットで適当にお笑い番組を流し見してみたが、心からは笑えず、消して静かにしていた。

時代が進むに連れて、笑う機会は確実に増えていると思う。一般人でさえも、人を笑わせることがうまい人が増え、そういう人がまず人気がある。けれど、僕はつられて笑いながら、ふと寂しくなることがある。ギラっとした、床に水をはね返すような笑いとは違った、もっともっと底が深い、いつまでも心が明るくなるような、何回思い出してもまた笑えるような笑いが減って来てるような気がする。一人で自然とにっこりしてしまうような笑い、そういった瞬間を探したいな、と思った。